『パリのどこかで、あなたと』 Deux moi

セドリック・クラピッシュ監督最新作『パリのどこかで、あなたと』を観ました。

邦題があまりピンと来ていなかったので、内心「パリってつけりゃいいってもんじゃないよね」なんて思っていたのですが…

観ている最中から激しいパリ病に取り憑かれてしまって、観終わった時にはあまりにも気持ちが高揚してしまい過呼吸気味に。

クラピッシュがパリを舞台に「いい歳した大人の思春期真っ只中っぷり」を描かせたら、もう最強ですね。

前作『おかえり、ブルゴーニュへ』でも共演しているアナ・ジラルドとフランソワ・シビル。
実は前作は個人的にあんまりハマらなかったのだけれども、今回は完全KOです。

Copyright Emmanuelle Jacobson-Roques – Ce qui me meut

レミー(フランソワ・シビル)が、自然に囲まれた田舎に帰って
「空気は汚いけど、パリの方が呼吸しやすい」
というようなセリフを放つのですが、首がもげそうなくらいの勢いで頷いてしまいました。

マッチングアプリ、中東系スーパー、不景気による解雇、将来への不安…
好立地で広すぎるお部屋に住んでいること以外は、リアリティもある設定であることも良点。(『エミリー、パリへ行く』とは違ってちゃんとメトロで出勤しているし!)
主人公二人の精神的な脆さも、コロナ禍で不安定になってしまったこのご時世に観ることで余計に沁みたなあ。。

ひとりで悩みまくって残業したり、ストレス抱えながら生きているメラニー(アナ・ジラルド)の役は、完全なパリジェンヌというよりは日本人の働き方にも通じるものがあって、共感もしまくりでした。

Copyright STUDIOCANAL/Emmanuelle Jacobson-Roques

『猫が行方不明』を初めて観たときの衝撃も感じたし、フランソワ・シビル君にはクラピッシュ作品の中のロマン・デュリスに激似だったし(猫にメロメロになる顔なんて特に似てたし、観ている間に何度悶えたことか…!

あと残念ながらパンフレットは今回販売していませんでした。。

この余韻をしばらく記憶のなかだけで楽しんでいましたが、もう限界なのでお正月休み期間中にもう一回観に行こうと思います。